患者の容体が急変すると、すぐに適切な対処が必要だと考えてベテランの看護師でも焦ってしまうことがあります。

しかし、どんなに切迫した状況でも気持ちが焦った状態で対処しようとすると、さらに状況を悪化させる可能性も考えられるでしょう。

特に医師や看護師長が冷静さを失い、現場の看護師たちを叱咤して蘇生措置を急がせると、かえって蘇生が遅れかねません。

たとえ患者が瀕死の状態に陥っていても、通常のスピードより速く処置することは不可能とも言えます。

そのため、いつも通り落ち着いた態度で指示を出すことが大切です。

医師や看護師長が落ち着いて指示を出すと、患者の容体を見て冷静さを失っていた看護師も落ち着きを取り戻します。

落ち着いて看護ケアに取り組めばスムーズに処置が進み、結果として急がせた場合より速い対応が可能になるのです。

このように心の落ち着きを取り戻すには、日頃からの訓練が欠かせません。

患者の容体が急変した場合にどのように動くか、看護師たちが明確に把握しておくことが大切です。

患者が意識不明や心肺停止状態に陥ったときに備え、声かけから下顎挙上、心臓マッサージまで何回も繰り返し訓練しましょう。

ICUに運び込む前に、ストレッチャーに患者を乗せたまま蘇生措置を施す訓練も必要です。

身体が覚えるまで何回も訓練しておくと、本番でも自然に対処できます。

マニュアル通りに一つ一つのプロセスを正確にこなしていけば、本番に焦らず済むのです。